「…へぇー、ありがとう。」
初めは プール掃除の言葉に
ピクリと反応し 嬉しそうにしたが
その書類の束を受けとると
あからさまに嫌な顔をした。
「うげー… これ全部?」
「うん、因みに俺は読まないよ。」
俺は勿論読まない。
だって面倒だから。
読まなくても どうにかなるさ。
「え!! 読まなくてもイイの?」
奈穂が驚きを隠せないかのように
目を見開く。
「そ…そんな驚く!?
読まなくても 何とかなるょ。」
すると奈穂は 一番最後のプリントの
一番下の方を指差し 健吾に見せた。
「ほら、書いてあるょ。
ちゃんと読まなきゃ ダメだょ!」
奈穂が指差したトコには
"このプリントを破棄したものは
プール掃除ではなく プール隣の
外のトイレを 清掃してもらう。
また、プール掃除の当日までに
内容をしっかりと頭にいれ
覚えてくること。
これを怠れば 同じく
トイレを清掃してもらう。"
「んだよコレ! アイツはドSかぁ!」


