「高木? おはよ。」
勢いに任せて 話しかける。
「ん? あ、佐々木! おはよう。」
奈穂は友達の輪から外れ
健吾の方を見た。
すると、健吾の顔が赤くなる。
「佐々木、顔赤いよ。
…朝練 キツかったの?」
奈穂が怪しむように 顔を覗く。
すると健吾は、「何でもないよ。」
と言って 目をそらした。
早く話を変えたかったのか
慌てて口を開いた。
「あのさ、昨日の罰掃除の後に
戸川がチェックに行ったらしいんだけど
なんか キレイだったって 誉めてた。」
奈穂はまた
大きな向日葵のような笑顔を見せ
「ホントに!?」と 喜んだ。
「うん、今朝 戸川に捕まってさ。
それとこれが 昨日の配り忘れ。
当番の振り分けと、プール掃除の説明
…とかなんとか言ってた。」


