恋花よ、咲け。





「なんで2人分?…ぁ…ですか?」


健吾が やたらと重い書類を見て
あからさまに嫌な顔をする。


「高木の分だ。
あれ、同じクラスだろ?」


「そうですけど…。」


「なら 渡しとくのが当たり前だろ。

じゃ 頼んだぞ。」


「…は、はぃ。」


_____。

はぁ、何か急激に疲れた…。


戸川わ笑わないんだよなぁ ずっと。


______ガラッ


「おー、健吾 おかえり。

何だった? 怒られたか!?」


野球仲間が馬鹿らしそうに
こちらを見て ニコニコ笑っている。


「いや、特に何も。」


そう冷たく言ったのは
高木が弘也と話していたから。


ちぇっ。 朝から仲良くしやがって。


そう思ったのも束の間。


奈穂は悲しい顔をして 弘也から離れた。


それを見た健吾は 今行くか。と
決意を固め わんさか踊り出す心臓を
無理矢理押さえつけ 歩を進めた。