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今日の朝練は 部室の掃除だったため
割り方早く終わった。
いつも通り、自分のロッカーで
靴を履き替えようとした時
「おい、佐々木。 ちょっと来い。」
と、委員会の担当教師に呼ばれた。
「…ぇっ。 俺すか?」
「お前しかいないだろ。」
「……はい。」
健吾は この戸川(こがわ)が苦手だった。
サッカー部のコーチをしているが
黒く焼けた肌 黒い短髪 力強い瞳は
常に何かを訴えているようで
恐れの多い人だった。
健吾は野球仲間に「先に行ってて。」と告げ
渋々戸川に付いていった。
戸川は 職員室の前で立ち止まり
「昨日の体育館での事だ。」
と話はじめた。
「あ、はい。 すいませんでした。」
面倒だからとりあえずと
健吾は素直に謝った。
「いや、そうではない。
あるから しっかりと掃除をしたか
見に行ったのだが
思いの外 ピカピカだった。
ちゃんと反省の色がうかがえた。
あの、高木とかいう女子にも 伝えとけ。
それと、このプリント
昨日の配り忘れだ。
当番の振り分けだ。
それと プール清掃についても
詳しくのっている。」
そう言って 2人分の書類の束を
ドンと渡された。


