奈穂はいつも友達に囲まれている。
だから なかなか話しかけられない。
大峯 潤(おおみね じゅん)を始め
わっちゃんこと 相川 羽琴(あいかわ わこと)
りにーこと 山崎 凛夏(やまざき りんか)
……などなど
奇妙なニックネームも
奈穂を意識するあまり
覚えてしまったのだ。
はぁ… 高木にはホントに
振り回されている。
弘也はつくづくそう思う。
今までの女とは
決定的に何かが違うからか
予測不可能な行動に出る。
「何があったの?」と
嫌というほど聞かれると思ったら
「何も言わなくていいよ。」と言われ、
優しく笑いかけてくれたと思ったら
急にきゅっと引き締め
冷たい顔をするんだ。
俺の今までと言えば
背が高くて 顔立ちもスッキリしていて
スラーッとスタイルがよくて
頭がよくて 指先が器用で
マメで 優しくて 尽くしてくれる。
そんな女だった。
どの男子にも イイなお前は。と言われた。


