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弘也はそこで
立ち止まってしまった。
どうすることもできない。
だって、自分一人では
到底 成し得られないから。
「…俺はいつも、
自分の力で昇ってきたつもりだった。」
女には 嫌というほどモテて
カッコいいと言われ
野球も勉強も 思い通りにいっていた。
確かにそうだ。
全て上手くいってた。
親にも 友達にも 教師にも 監督にも
皆に「凄い」と言われ
全てが 面白いほどに手に入る。
それは全て
確かな俺の実力だ。
それは 誰にも否定できない。
だけど、それ以外に
いつも自分の思い通りにいかないものがある。
惚れた女の心だろ。
いつだって 健吾を利用してきた訳だ。
健吾がいなきゃ
得られなかったかもしれない。


