そこで奈穂が ピクリと反応した。
そしてそれに気づいた健吾は
何か考え込んだ後に
はっとして 急いで付け加えた。
「…!!
スカウトはちゃんとされたんだからな!!」
健吾が向きになって言う。
すると奈穂は
びくりと体を震わせた後
大きな声で笑った。
「分かってるよぉ。
いくら佐々木でも
スカウトぐらいはされちゃうんでしょ?
ちょーーーぉ弱いチームに限るけど。」
奈穂は 初めて健吾と
対等に話していた。
「お前なぁ!!」
奈穂と健吾は
体育館に 一番乗りだった。
体育館には
ふざけて走り回る
奈穂と健吾の笑い声が 深く響き渡ってた。


