放課後 健吾は奈穂に声をかけた。
書く委員会の集まりが 今日あるのだ。
初めての委員会の集まりになるので
なかなか面倒くさそうだ。
二人は 廊下を並んで歩いていた。
行く場は体育館。
「高木って 確かバスケ部だよね?」
確かっていうのは嘘だ。
「うん、そうだょ。
バスケはね 小一の頃からやってんの。
大好きなんだぁ。」
奈穂がウキウキで話しているのを見て
なんだかとっても
気持ちが晴れてきた。
「なんか イイ顔するね。
楽しそう。」
奈穂が少し照れて 少し俯いた。
「…佐々木は何部だっけ?」
「俺は 野球部だよ。
俺も小さい頃からやってんの。
弘也と一緒に。」
健吾は のびのびと話した。
「弘也とはね
親同士が仲良くて
俺達も仲良くて
ちっさい頃から ずっと一緒なんだよ。
だから 幼馴染みなんだ。
んで 俺達が野球をやり始めたのは
父さんが原因でさぁ。
俺の父さん 草野球の監督やってて
俺が生まれた時に
俺が野球やんのは決まってたんだって。」


