恋花よ、咲け。





_____。

「ったくぅ…。
勘違いされるような事 するなよ。
気を付けろ。」


「…すいません。」


教室はワッと沸いた。


弘也は健吾を見た。


健吾は少しだけ俯いていた。


バレたか…!?


…もしバレたら
健吾はあの時のように 怒鳴るだろう。


「なんで隠すんだよぉ!!」って…。


なんで隠すって…理由なんてただ一つだ。


「______俺 高木の事
好きになっちゃったんだよ!!」


…あんな純粋な笑顔で
瞳で でっかい声だして言われたら
「実は…」なんて とても言えない。


俺には
健吾のような純粋さはない。


人を平気で踏み台にするほど 酷な奴だ。


健吾は俺を知らないんだ。


何一つ分かっちゃいない。


キャーキャー言ってる女子たちも
俺の外見しか見ていないんだ。