恋花よ、咲け。





奈穂 俺はそんなにイイ奴じゃない。


弘也の次ならなんて微塵も思わない。


弘也は別に 舞未のことが好きな訳じゃない。


ただ 奈穂には感じない感情を知っただけ。


とても素敵なことだ。


だが俺は 結局のところ
好きな人への想いが勝つと思うんだ。


もし その事に弘也が気づいたら
俺は奈穂とはいられないなぁ…。


教室に入ると 奈穂 部員 友達
の順に俺を取り囲んだ。


「おはよう健吾!!
昨日はメール無視してごめんね。」


「朝から普通に可愛いな。」


「健吾 お前今日寝坊だろ?」


「朝練キツかったんだ?」


「おはよう健吾。
んで 宿題コピらせろ。」


「あ 俺もやってねぇや。」


分かるかな?


忘れたい嫌なことを忘れさせてくれる奴が
俺にはちゃんといるんだよな?


奈穂 君もその中の一人だ。


「健吾? なーにぼーっとして。」


きゅって制服を掴む手。


ふわっと柔らかそうな髮。


朝練終わりで火照った頬。


まだ一度も触れたことのない唇。


キラキラ未来をいつも見据える瞳。


全部好きだよ。


……一方通行だけどさ。


よし決めたよ 奈穂。


俺は 奈穂と弘也が結ばれるまで
ちゃんと奈穂の隣で 1番近くで支える。


前言撤回だな 俺めっちゃイイ奴。