恋花よ、咲け。





_____。

ピッチングの最中
隣でキャッチボールをしていた
二人の投げたボールが
上手いこと顔面を直撃した。


口の中はキレイに切れて
歯は赤く染められていた。


「わりぃ 暴投しちゃって。
口 ゆすいでこいよ。」


「あ 気にすんなよ。
ちょっと 行ってくんな。」


ホントに悪そうに謝るから
俺も強く返せなかった。


水道は わざと体育館下のを使った。


我ながら 小学生みたいだなと思う。


そしたらいきなり
「え 佐々木どうしたの?」と
聞き覚えのある声がした。


顔をあげてみると
高木と仲のイイ大峯が 体育館から出てきた。


「…口 血だらけだね。」


「あぁ ちょっと切れたんだ。」


「私は今 休憩だよ。
さっき 一時間ずっと走りっぱなしで。
速攻の練習だったの。」


「俺はピッチング練習だったよ。
それなのに いきなり暴投飛んできて。」


気兼ねなく スルスルと進む会話は
とても心地が良かった。