それ以来 弘也を見るたびに
あの二人組の話が頭に浮かび
うまく言い表せないもどかしさに駆られる。
弘也より後に教室を出た。
先に出てこれば
弘也の噂なんてすぐに忘れて
体育館で バスケに夢中になれるのに…。
少しでも長く 弘也を見ていたい。
私はもう 弘也が好きすぎる。
夏によく弘也と話すようになったのが
今では幻のように 儚く感じられた。
その日の部活帰りだったんだ。
「奈穂ー、あのね…。」
帰りのバスを待つ間
確かに潤の様子はおかしかった。
「…なに? なんでも聞くから。」
バスを降りて少し歩くと見える公園。
ベンチに腰掛け 潤が話始めた。
「…奈穂 あのね?
私 好きな人が出来たんだよ。」
初めこそは驚いたが
よく考えてみれば 普通のコトだった。
「えぇ 誰なの!?」
潤だから すんなり教えてるれると思った。
が、何か言いにくそうに
もじもじとする潤に 嫌な感じがしたのは
他でもない。
でも 出てきた言葉は
私の予想とは かけ離れていた。
「…佐々木。」


