ふと 高木の笑顔が頭を過る。
「佐々木くんも まさか…。」
さっきの言葉を聞いて
そう思わない人は恐らくいない。
「そうだよ。
俺も その子が好きなんだ。」
舞未の顔が ピキッとかたまる。
「…2人は ライバルなの?」
「あぁ そうだよ。
また 俺らは争っているんだ。」
空に浮かぶ月が大きい。
舞未は知らないだろう。
かつての俺と弘也が
君を取り合い 傷つけ合ったことを。
気づかぬままに 時はこんなにも早く。
「…確かに ピリッとしてた。」
舞未が座り直した。
俺との間に さっきより広いすき間があく。
「ずっとだよ。
高校に入ってから ずっとこんな調子なんだ。」
だが俺は これ以上を語らなかった。
舞未には必要ないと思ったからだ。


