「去年の夏に よくウチの練習見に来てて。
それでこの前の夏の決勝で投げる
彼の姿にビックリして。
佐々木みたいに
ストレートでしっかり勝負できる
あんなピッチャー 欲しかったから。
だから私 決勝の後に
すぐに佐々木くんに声をかけたんです。
だけどね
望みが丘高校の野球部に入るからって
キッパリ断られちゃって…。」
悲しげに言う舞未に
こちらまで胸が痛む。
「…健吾 断ったんだな。」
「うん キッパリとね。
彼が投げる姿を見て 私…。」
舞未の瞳から 何故か涙がこぼれる。
「え ちょ 何で…。」
グラウンドから
みんなの声が聞こえてくる。
「ううん ごめっ…。」
何がそんなに悲しいのか
舞未はただただ 泣き続けた。
その泣き顔に 俺は恋をした。


