恋花よ、咲け。





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まさに夏真っ盛りの8月半ば。


今日の練習は バスケ部と時間帯が
ぴったりと重なっていたので
いつになくウキウキしていた。


「佐々木、今日は好調だな。」


顧問の小林(こばやし)が言う。


通称 バヤシコだ。


「はい、なんか分かんないんですけど。」


ははっと笑う。


ヤル気もめちゃめちゃあって
マウンドにも立たせてもらえた。


そんな練習後 大峯が保健室から
出てくるのが見えて
通りかかったってのもあったから
「どうかした?」と話しかけた。


すると大峯は
ビックリしてからこう言った。


「あぁ、今日奈穂が
体調不良で早退したんだ。
だから それで由李先生にちょっとね。」


大峯は平気そうな顔をしている。


「え、大丈夫なの?」


高木が早退…。


元気で明るくいイメージの強い高木が…。


心配は募るばかりだった。


「うん、多分大丈夫だと…。

だけど 39度あったらしいからなぁ。」


そして大峯がニヤリと笑う。