否定する言葉は出てこなかった。
「…最近 会えないんだもん。
ちょっと 気になっちゃうんだよね。」
ほろっと 言葉がこぼれ落ちた。
「そっか。 寂しいよね、そりゃ。
連絡先も知らないから メールも無しだし。」
二人で柵に手をかけ
グラウンドを見下ろしていると
声をかけられた。
「あのぉー…
ちょっと イイですか?」
「「えっ?」」
私と潤の声は見事にハモり
同時に振り返った。
するとそこには
背の高い 同い年かそれ以上くらいの
大人っぽさを放つ女の人がいた。
「そこ… 階段 使いたいんですが。」
女の人は 潤の左側の階段を指差した。
潤のバックが邪魔で 階段を下りられなかったんだ。
「あ、ごめんなさい!」
潤はあわてて荷物をどかした。
「いいえ。
…あの、うちのチームのファンの方ですか?」
女の人が 階段の前で立ち止まり首をかしげる。
「うちのチーム…?」
私は グラウンドに目をうつす。
「あぁ、マネージャーさんか何かですか?」
グラウンドから女の人に目を戻す。
「えぇ、マネージャーをやってます。
うちのチームは なかなか強いんですよ。
試合 見に来たことありますか?」
目を輝かせて離す彼女に
何かを感じたのはきっと 気のせいよね。


