恋花よ、咲け。





お前が俺の気持ちに気付くのを
かなり恐れていた。


それは 健吾を傷つけるからではなく
自分が人を傷付けるから。


だけど 隠したままは嫌だったんだ。


そんな状態で健吾とライバルになっても
遠慮ばかりして ろくに手を出せない。


負けたくない。


高木だけは 取られたくないんだ。


本気の恋って こういう事なんだな。


だからもう
健吾の事なんか 考えてやんねーよ。


高木のあの 向日葵のような
弾ける大輪の笑顔は 誰にも向けさせたくない。


もう、止めらんねーな。


つーか、止めなきゃなんない理由がない。


窓から入る 生ぬるい風。


冷房がいらないほどに
涼しい夜となった 雨上がり。


カーテンが風に揺れ
大きな月と 星空が顔を出す。


「……今日は 満月か。」


あぁ、いつかこの月を
高木と一緒に 同じ場所で見上げる日が
来るとイイ。


そう、心から思うよ。