「立ち聞きするつもりはなかった。でもケンカしている声が聞こえて、つい足が止まってしまった。だから悪いが、すべて知っている。南野、あれは言い過ぎだ!」


先生のいつもより低い声が響く。


怒っているとすぐ分かるほどだった。


だからって私だってこのまま黙ってない。


「何がですか?私は本当のことを言っただけです。」


「だからって丸山を傷つけていいことにはならないだろ!」


やめて…。これ以上、何も言わないで…。


もう、そっとしておいてよ。


これ以上、私に関わらないでよ。


「確かに丸山さんのことを傷つけてしまったかもしれません。でも、私のこと何も知らないのに勝手なこと言わないでください。」


「どういうことだよ。丸山に謝れよ。謝れ!」


「先生も所詮、他の先生と同じなんですね。先生は違うと思ってたのに…」


そう言って私は教室を飛び出した。