「それはできません。」


即答だった。


そんなにいやか?どうしてだ?


丸山のことが嫌いなのか?


「どうしてだ?同じクラスメイトだろ?傷ついている友達を見過ごすつもりか!」


断られたショックとますますよく分からなくなった南野の気持ちにイラついた。


口調が強くなったせいか、南野は黙ってしまった。


「黙ってちゃ分からない。」


そう言うとやっと口を開いた。


「どうしてもです。それに見過ごしているのは私だけではありませんよね?どうして私だけに言うのですか?そして先生は何か勘違いされていませんか?丸山さんとはただのクラスメイトなだけです。他の生徒と同じように。ですから私は友達だと思ったことなんて一度もありません。」


どうして、そこまで言うんだ?


それに丸山だけでなく、クラスメイト全員…。


やっぱり何か抱えている。


その時俺はそう確信した。