心の中 ~あなたの本当の声を聴かせて~

「あの、南野えりという生徒をご存知ですか?」


「あぁ、えりちゃん?知ってるけどその子がどうかしたの?」


「今回、担任になったんですが、実はその子に前にも会ったことがあって一目惚れしてしまっ
たんです。」


「は!?お前出勤そうそう何やってんだよ!」


あーあ、怒れた…。まぁ、しょうがないよな…。


「すみません。」


「お前、えりちゃんに何かしてないよな?」


「自分の気持ち、伝えました。」


怖いけど、正直に言わないとなぁ…。


その後がもっと怖そうだし…。


「は!?何てことしてくれんのよ。私の大切なえりちゃんに!」


大切なえりちゃん…?


どういうこと?生徒じゃないの?


「すみません。大切なえりちゃんってどういうことですか?」


「えりちゃんわね、私が中学3年間担任した生徒よ。こんなに厳しい私にも慕ってくれる唯一の生徒なの。だから他の生徒より特別なのよ!」


へぇ…  そうだったんだ。