心の中 ~あなたの本当の声を聴かせて~

南野はそんなに俺と話したくないのだろうか?


どうしてそんなに急ぐ?


俺といるのがそんなにいや?


告白する前だというのにとてもネガティブになっている。


よし気を取り直してはっきり気持ちを伝えよう。


「あの、俺… 南野さんのことが好きだ。」


あ、やばい。つまった…。


予想通り南野はきょとんとした顔をしていた。


「南野さんは覚えてないかもしれないけれど、俺たち前に2回会ってる。少しだけだけど
ね。」


きっと覚えてないだろう。だって一瞬だったから。


これももちろん予想ずみ。


「南野さんの気持ちが振り向くまで待ってるから。」


少し念を押しておく。


「私たちっていつ、どこで会ったんですか。」


「それはひみつ。」


彼女が気づくまで、または俺たちが付き合えるまで教えないんだから。


混乱している姿がかわいくてもう少しいじめたくなってしまう。