あれは俺が17の時だった。

俺は今年から高校生になったばかりでエスカレーター式にも関わらず、浮かれていた。

担任の先生も変わって大塚京子先生となり、クラス替えもあって外部からも新入生が入ってきた。

だいぶ新しいクラスにも慣れてきた頃、それは起きた。

俺はあの時帰り道だった。

その日は珍しく部活がなくてのんびりと帰っていた。

電車に乗っていた時に突然震えだしたケータイ。

表示を見ると母さんからで妙な胸騒ぎがしたのを覚えている。

電車の中だったが、こっそりと電話に出た。

「母さん?」

「優也?落ち着いて聞いてね。今すぐ○○病院に向かいなさい。お父さんが事故で…」

「え??ちょっと待って…」

頭がついていかない。

父さんが事故??

何で?意味分かんないよ。

「いい??○○病院だからね。」

そう言って一方的に切られた電話。

耳元からはただ虚しく電子音が鳴り響いているだけだった。