「俺は人殺しなんだ…」

一瞬何を言われたのか分からなかった。

オレワヒトゴロシナンダ

オレハヒトゴロシ

ヒトゴロシ

ヒトゴロシ

ヒトゴロシ

何度も頭の中でその部分だけがリピートされて真っ白になる。

「西村君、それは違うって言ってるじゃない。」

大塚先生が声を上げた。

いきなりのことで驚いたんだろう。

「最後まで聞いてください。」

“決して誰にも何も言わせない”

そんな表情だった。

それによって私は我に返った。

ここで動揺するわけにはいかない。

ここからが本題のはずだ。

しっかりしなきゃ。

そう思ってもう一度姿勢を整えると、それが合図のように西村先生は淡々と話し始めた。