「そう。昨日、すごく苦しい想いをしたでしょ?少なからず、デートの時に行動や表情、言葉などに出てしまっているんじゃないかな。えりちゃんはその点についてはかなり敏感だわ。だからあなたがどんなにえりちゃんを想っていたとしても、えりちゃんの中では何かしらの誤解が生じているかもしれない。」


確かにそうかもしれない。


無意識のうちに顔に出ていなかった。


そんな保障などどこにもない。


そして何より『似てる』。


そう言ってしまったのだ。


きっとあいつは誰かと比較されてると思っているに違いない。


俺だってそう言われたらそう思うだろう。


比べているより重ねている。


その方が正しい。


でも南野は何も知らない。


知らないこそ傷ついてしまう。