「先生…俺、もう…


「分かったから。今日は私の胸貸してあげる。だから思いっきり泣きなさい。」


その言葉を聞いた瞬間、今まで閉じ込めていた感情を吐き出すようにただただ泣きじゃくっていた。


その間、ずっと大塚先生は俺をそっと抱きしめてくれていた。


そして小さな子供をあやすようにリズムよくたたいてくれている。


泣いている間、恵理との思い出がたくさん蘇ってきて余計に胸を苦しくさせた。


少し気持ちが落ち着いてくると、


「ちょっと待ってて。」


そう言って俺の前からいなくなり、自分のバックをあさって何か探している。


その何かを持って水道の方に行ってしまった。


「はい、これ。」


差し出されたものは濡れたタオルとお茶の入ったコップだった。