――西村先生side――


俺は電車の中で1人頭を抱えていた。


もう自分の感情がコントロールできなくて。


南野と一緒にいるといつもふとよぎるもう一人の恵理。


思い出すたび胸が苦しくなる。


南野を傷つけているのは分かってる。


でも恵理との思い出はなかなか消えてくれなくて。


もうどうしたらいいか分からない。


この先どうやって家に帰ったかなんて覚えてない。


気づいたら大塚先生に電話してた。


「西村君?どうしたの?」


「先生…  助けて…」


もう分からないよ。


自分の心もこれからも。


俺はどうしたらいいんだよ。


胸が張り裂けそうに苦しい。


気づくと俺は泣いていた。