心の中 ~あなたの本当の声を聴かせて~

「南野!」


すごい勢いでこっちに先生が走ってくる。


「先生…」


「おいお前誰だよ?人のもの横取りする気か?」


「それはこっちのセリフだ。俺はこいつの彼氏だ。分かったらとっととその手を離せ!」


今まで聞いたことのないくらい低い声だった。


聞いてるこっちまで鳥肌が立つぐらい。


2人の男たちは血相を変えて逃げていった。


「先生、ありが…ひゃっ!ちょっと、ここお店ですよ!」


私はなぜか先生にきつく抱きしめられていた。


「苦しいです、先生…」


そう言っても話してくれない。


きっと耳には届いていないんだろう。


この時、気づいてあげられればよかったんだ。


先生の肩がかすかに震えていたのを。


それくらい強く抱きしめる理由に。


その裏にある大きな不安に。