椅子がガタンと音を立てるのと同時に何かの音と重なった。


顔を上げるとえりちゃんが膝をつき、胸を手で押さえている。


そう、さっきの音はえりちゃんが椅子から崩れ落ちる音だった。


過呼吸だ…。


えりちゃんはポケットから紙袋を取り出し、その中で必死に呼吸を繰り返している。


どうして今まで気づかなかったんだろう。


泣いているときにやたら苦しそうにしていたのはそのせい?


私がもう少し早く気づいていれば…


軽く済んだかもしれないのに…。


ごめんね。ごめんね、えりちゃん…。


そう心の中で思いながら、ただそばにいることしかできなかった――。