アゲハ~約束~

 判らないけど、なんでか、ホント、泣けて。

 約束が、果たされた喜び。

 彼が、ここにいる、喜び。




 ―――ルフナが、今、ここにいる。




 それが、こんなに嬉しいなんて。




「ル・・・フナ・・・」




 しゃくりあげながら、精一杯の思いを口にする。



「帰ってきてくれて・・・ありがとう・・・」



 すがりつくみたいに、両腕で。



 彼の腕をつかんだ。




「約束・・・守ってくれて・・・」

「――――・・・」



 ルフナは、その彼女の手をとって、彼女の顔を、自分の胸に押し当てた。


 身体全体で包み込むように、ぎゅっと抱きしめる。


 それだけで、身体全体に、暖かいものがこみ上げて、あふれた。





「ねぇ、アゲハ。オレは必ず、君との約束を守るよ。」




 そっと彼女の長い髪をなでて、落ち着かせるような柔らかい声で、彼女を包み込む。