アゲハ~約束~

「・・・どうして・・・?」

「え?」

「どうしてここにいるの・・・?」

「どうしてって・・・」




 ボロボロの格好をしているアゲハをくすっと笑いながら、彼はアゲハに近寄り、目の前にしゃがみこむ。


 カメラを構えてアゲハを一枚フィルムに収めた後、彼はそっと、アゲハに触れた。



「・・・約束したじゃない。」



 必ず、戻ってくるって。



「三ヶ月かかっちゃったね、ごめん。」

「――――・・・」

「でも、戻ってきたでしょう?」



 彼の優しい声に、涙があふれる。




 どうして、私、泣いてるの?