園長に連れられてやってきた二人は、アゲハを見ると感極まった涙を流し、二人してアゲハを抱きしめる。



「アゲハ!アゲハ!・・・ごめんね、ごめんねっ・・・」

「え?え?」

「・・・アゲハ。」



 困惑する、アゲハ。

 そんな彼女に、園長が、優しく言った。



「・・・ご両親よ。」

「――――え?!」



 驚いて、身体を離して二人の顔を見ると、なるほど。

 だいぶ老いてはいるがこれは確かに、あの日、自分を置いていった両親だ。



「・・・て、いったって・・・二人とも・・・」



 アゲハは困惑の色を隠しきれずに、二人を見やる。



「・・・あたしのこと、捨てたんじゃ・・・」