「・・・次の駅だね。」 「うん。」 「この名前・・・日本人だ。」 「どんな人かな。」 写真の中のスケッチブックに書かれた名前は、漢字だった。 上田美佐子。 この住所の先に人がいるのかはわからないけれど――実際に誰もいなかったことがあったから――とにかく、訪ねなければ始まらない。 あの飛行機が落ちた場所に、一番近い海沿いの町。 三人は、その駅で電車を降りた。