三ヶ月前のあの時。
思い立ったのは、この写真を遺族に配って回ることだった。
封書で送りつけてもよかったのだが、なぜか、自分の手で直接渡したかった。
アゲハがその旅に出るというと、幸人と夏梅が、すぐさまついて行くと手を挙げた。
二人とも大学を休学してついてきてくれたのだ。
―――この二人には、感謝している。
・・・そして・・・ほんの少し、心苦しい。
この旅の終着点は、別のところにあるから。
―――・・・それを二人には、言っていないから。
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