次の日は初めて人と話せた。

前の子がプリントを渡してくれた時に、

「あっ、ありが―」

その子がすぐ前を向いちゃって、最後までは言えなかったけど一応お礼が言えた。
…はず。


―…

「というわけで初めて人と会話を交わしたの!」

交わしてはないけど…まぁいいじゃないか。

「あの子たち友達?」

私の話をガン無視してりっちゃんが言った。
道路の向こう側のこっちを見ながら手を振っている2人の女の子を見ながら。

「ん?知らん…それよりさぁ!」

「…なんだっけ?」

「……もういいよ…」

「うん」

「…はぁ…りっちゃん友達できた?」

ため息混じりでりっちゃんに聞いてみる。

りっちゃんのことだから…まぁどうせ人と話すことすらできなかったんだろうな。

「うん」

「やっぱりね…って、馬路!?」

「うん」

マイフレンドッ!
まさかの裏切り!!?

え!でもさ…

「約束したじゃん!お互い勉強のみ頑張っていこう、って」

「あれは一方的でした」

ぎくっ、

「とりあえず頑張って」

りっちゃんのにこにこ笑顔。
物凄くうざったい。

絶対…

「絶対見返してやるからなっ!?」

「はいはい」

呆れた顔のりっちゃんに膨れっ面の私。

私に友達はできるんでしょうか。