――『菜々実、大丈夫だよ』




ぼんやりと思考が停止している頭の中で、懐かしくて優しい大樹の声が響き渡った。


いつかの、懐かしいあの頃の大樹が発した言葉。


私は、小さい頃お母さんとお父さんが3日間旅行に行っていて、私は大樹の家に泊めてもらうことになった。


大樹のお母さんやお父さん、それに大樹がいながらも私は寂しくてずっと泣いていた。


夜、眠るときもずっと泣いていた。