「お隣の大樹くん家、引っ越すんですって」



そうお母さんに言われたときは、思わず耳を疑ってしまった。


確かに、最近大樹は学校に来てなくて風邪かな、なんて心配していた。


だけど、そう言われてから、家の隣で引越しの車が来ているから荷造りをしていることが分かって本当に引っ越すんだな、って実感した。



「菜々実も大樹くんの荷造りのお手伝いに行ってきたら?大樹君のお家にはいろいろとお世話になっているでしょう?」


「.................」


ずっと自分の部屋のベッドで横たわる私を見てお母さんが言った。