さよならだけは、言えなくて




お母さん、隣の大樹の家もう行ったのかな。


そう思いながら、私は涙をごしごし腕で拭い、重い体をむくりと起こしてベッドから降りた。


何かの配達かな、回覧板とかかな―――。


そう思いながら階段を駆け下りる。



――ガチャリ


玄関を開けた先にいたのは、


「よ」


―――...大樹だった。