さよならだけは、言えなくて




そんなことを思っているときだった。




――ピンポーン。



家の中に軽やかなインターホンの音が響き渡った。



どうせお母さんが出てくれるだろうと思って、私は動こうとはしなかった。



だけど、何分経ってもお母さんの声が聞こえないし、何度も聞こえるのはインターホンの音。