夏。文化祭。
私のクラスは展示だけなので今日は全員自由行動!
「弥生、どこ行きたい?」
「どこでもいいよ。朱日奈は?」
「じゃあ…屋台見に行こ!私フランクフルト食べたいなぁ」
「屋台は第三校舎の外側だってさ」
涼しい教室を出て、第三校舎へいくと書道の展示や美術部の作品が廊下に張ってあった
「こんな綺麗な字書けないよね」
「褒めても何も出ないよ」
び、びっくりした
「あ、えと、これって」
「僕の作品」
黒い髪はさらさらと風に揺れ、左目を隠すくらい長い前髪はその人のミステリアス?な感じをより際立たせていた
「一年生?」
「あ、はい。五組の篠ノ芽です」
「凉村」
弥生は露骨に嫌そうな顔をしていた。本当に男嫌いだよね…
「三組の因幡拓海。選択授業の書道で凉村さんとは同じクラス。五組の人って…」
「え?」
「もっと頭良さそうなのかと思った」
う、わ、
失礼な人だぁぁぁ
私のこみあがる敵意とは逆に涼やかな顔でさらりと「話しやすそうだなと思っただけ。」と言う因幡くん。
…ツンデレ?
「…篠ノ芽さん、凉村さん。これ、三組の出店のチケット。僕はいらないから」
そう言って、アイスのチケットを二枚くれる
「弥生!アイスだって!ありがとう因幡くん!」
「一応感謝。」
弥生の態度に苦笑しながら最初の目的地フランクフルト店をめざして第三校舎に行くことにした。
「じゃあまたね因幡くん」
手を振り、廊下を進む