「かっこいい人だったね。優しいし。あたしにまでオオカミをくれて」
新垣 エリナはオオカミを眺めてちょっとだけ頬をピンク色に染める。
「新垣さんてああゆうのタイプ?」
ちょっと聞いてみると、
「タイプって言うか!優しそうだな~って」
と慌てて手を振る。
タイプなんだな。
あたしは同じ大人でももっとワイルドでワルっぽいのがタイプだけど。
……叔父貴は…ワイルド通り越して家では裸族してる野性っぷりだし、ついでに言うとワルっぽいのじゃなく極悪だ。
しかも
『ヒツジ?俺にはそんなやわなもん似合わねぇ』
ぺっ
と、ヒツジを放り投げるお人だ。…たぶん。
そんな叔父貴が好きだったって…あたしもしかして変態!??
「あ、あはは~結構なイケメンだよね。でもお人よしそ~だよな。詐欺に騙されるタイプじゃね?」
とちょっと笑うと、
「龍崎さんてそんなキャラだっけ…」と新垣 エリナはキョトン。
しまったぁ!
いつもの癖で、いつもの口調になってしまった!!
あ゛あ!
と後悔したが、新垣 エリナは気にした様子もなく、「オオカミ可愛い♪」とまたも乙女ちっくに微笑んでいる。
あんたの方が可愛いよ。
と、ちょっと思ったり…
って、いかんいかん!あたしはさっきから変なことばっかり!!
話が逸れてるっつうの!



