「あの…キョウスケの兄貴…この人…お知り合いなんですか?」
と、まさにハリケーン狼、タイガのマシンガントークが一通り終わった頃を見計らって、
唯一状況が掴めてないキモ金髪がキョウスケをおずおずと見た。
「こいつぁ鴇田の舎弟だ。
お前も鴇田には前会っただろ?ショッピングモールで千里と。
ちなみにこいつはこう見えて税理士…いや、会計士?どっちでもいいや。
顔に似合わずインテリヤクザ」
「インテリヤクザって…ああ!ってことはその筋のお方…」
キモ金髪は合点がいったように大きく頷き、
「俺、進藤って言います!宜しくお願いします!!」とタイガの手をぎゅっと握る。
「…あ、うん。ヨロシクね」
さっきまでの勢いはどこへやら。タイガはちょっと顔を引きつらせて体を後退させる。
キモ金髪の勢いに押され気味のタイガが無理やり笑顔を作り、
「ああゆうの、タイプじゃないんだよね」とこそっとあたしに耳打ち。
だからと言ってあたしをタイプにしてもらっても困る。
キモ金髪は何が気に入ったのかタイガの周りをうろちょろ。強引にテーブルに引っ張っていって
あたしたちは揃ってほっ。
でも何故かキョウスケ&リコペアも(強引に)一緒のテーブルに座らせて、変な団体の一角が出来上がっていた。
まさにオールスター…って言うかロイヤル・ストレートフラッシュだ。
こうまで手札が揃えばな。
あとは叔父貴&鴇田の組み合わせが来れば完璧。じゃなくて最悪!!
「…進藤先輩…?
に、あの人龍崎くんの…お兄さん?」と一行がテーブルに落ち着いた頃合を見計らって、新垣 エリナがキョウスケの方を見ている。
「あ…ああ、兄貴じゃなくて幼馴染」
戒が説明するもキョウスケの隣ではリコが戒に向かって
『何やってんのよ!どーゆうこと!?』と口ぱくで喚き、戒は慌てて視線を逸らした。
そうこうしているうちにロイヤル一行のメニューが取り揃って、あたしは厨房からトレーを受け取った。
「重そうだよ?半分あたしが持つよ」とすかさず新垣 エリナが近づいてくる。
気が利くって言うんだろうな。
そつのない動きだ。
あたしは曖昧に頷いて、グラスを半分だけ別のトレーに分けた。
「行ってらっしゃい♪俺は川上が怖くて近づけん…」
戒は引きつった笑顔。
…無理もないかぁ。



