。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




つってもオシャレの仕方が分かんねぇっつか。


雑誌でも見るか。


くそっ!もっとちゃんとリコのオシャレ談義に耳を傾けていれば!


てか今からでも遅くないよな。今度リコに聞いてみよ~


色々計画を立てていると、


「お疲れ~元気ねぇな。大丈夫か?」と戒がバイトに入ってきた。


「え…うん!全然大丈夫だ!」


あたしは無理やりガッツポーズ。


「そっか?なら良かったけど、体調悪いんなら店長に言って休憩させてもらえよ?」


と戒はいつも通り優しい。


まさか新垣 エリナと自分を比べて落ち込んでました。とはかっこ悪くて言えない。


てか相変わらず過保護戒め。


でも


心配してくれて、やっぱり嬉しいよ。


―――…と思った矢先のことだった。


「龍崎くん、このオレンジティーだけど」


と新垣 エリナが戒の袖をちょっと引っ張る。


新垣 エリナの一番近くに居たのが戒だし、同じ学校の同じ学年だから聞きやすいってのもあるけど、


ちょっとイラっ。


「あ、うん…」戒も弱み握られてるのか…てかそもそも女には優しいのか、ちょっと戸惑ってはいるものの素直に教えている。


「あたしの彼氏に触んじゃねぇ!」


と言いたいが、言えず…


バキィ!


「ちょっと朔羅ちゃん!あんた何やってんの!」とおネエ店長に注意されて


トレーが真っ二つに割れていたことに気付いた。


あ、あはは~…やっちまった…


そんなあたしの様子を目に入れた戒は慌てて顔を逸らして、ついでに新垣 エリナからも距離を取るようにちょっと離れる。


なんか…戒にも気ぃ遣わせてるよな、あたし…