つってもオシャレの仕方が分かんねぇっつか。
雑誌でも見るか。
くそっ!もっとちゃんとリコのオシャレ談義に耳を傾けていれば!
てか今からでも遅くないよな。今度リコに聞いてみよ~
色々計画を立てていると、
「お疲れ~元気ねぇな。大丈夫か?」と戒がバイトに入ってきた。
「え…うん!全然大丈夫だ!」
あたしは無理やりガッツポーズ。
「そっか?なら良かったけど、体調悪いんなら店長に言って休憩させてもらえよ?」
と戒はいつも通り優しい。
まさか新垣 エリナと自分を比べて落ち込んでました。とはかっこ悪くて言えない。
てか相変わらず過保護戒め。
でも
心配してくれて、やっぱり嬉しいよ。
―――…と思った矢先のことだった。
「龍崎くん、このオレンジティーだけど」
と新垣 エリナが戒の袖をちょっと引っ張る。
新垣 エリナの一番近くに居たのが戒だし、同じ学校の同じ学年だから聞きやすいってのもあるけど、
ちょっとイラっ。
「あ、うん…」戒も弱み握られてるのか…てかそもそも女には優しいのか、ちょっと戸惑ってはいるものの素直に教えている。
「あたしの彼氏に触んじゃねぇ!」
と言いたいが、言えず…
バキィ!
「ちょっと朔羅ちゃん!あんた何やってんの!」とおネエ店長に注意されて
トレーが真っ二つに割れていたことに気付いた。
あ、あはは~…やっちまった…
そんなあたしの様子を目に入れた戒は慌てて顔を逸らして、ついでに新垣 エリナからも距離を取るようにちょっと離れる。
なんか…戒にも気ぃ遣わせてるよな、あたし…



