。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「―――…なぁこの時期でも溶けない氷ってあるのかな…」


「…氷?さぁ北極でも行きゃあるかもな」


戒が不思議そうに顔を傾けてまばたき。


「何でそんなこと聞くんだよ」


「……さっきの子、きっと氷の中に閉じ込められてるんだ。まだ水が凍る前に水の中に落とされて…」


そこまで言って言葉を飲み込んだ。


戒は何て答えていいのか分からないようにちょっと頭を搔くと、


それでも軽く流すことはせず、真面目に考えてくれた。


「あと考えられるのは…冷凍庫とか、かな。


ああ、でもありゃ水の中じゃねぇか。


ってか水の中って言ってもなぁいっぱいあるしな。


海だろ?湖、池、プール…」


「………うん。しかもあたしの夢だしな……たぶんそんなことないよ…」


「まぁお盆も近づいてるしな。気にするなよ」


きゅっと戒の手があたしの手を握る。


戒に手を握られて、すぐ近くにあるあったかい気配に安心して


今度こそ



あたしは夢も見ずぐっすりと眠った。