てかキョウスケに女って!?


り、リコになんて言おう……


いや、リコに言えねぇよな。


でもでも戒は追い払ったって…


夕飯を食い終わって風呂に入り一通りのことをやっちまうと、部屋に篭って


あたしはベッドの上でマクラ(あざらしのぬいぐるみ)をぎゅっと抱きしめてため息。


キョウスケとリコの恋愛も心配だけど…





はぁ


新垣 エリナも何を考えてんだろうな…





自分の方もいっぱいいっぱい。


新垣 エリナは戒の正体知っても怖がるどころか、懐に飛び込んできやがった。


でも何かを企んでるようには見えない。ただ単に戒を追いかけて―――…?


ぉい!戒っ!!おめぇの勘ハズレてんじゃねぇかよ!!


って新垣エリナの気持ちを戒にぶつけてもしょうがねぇ。


あたしは近くに転がったケータイを取り寄せてふらふら。


その度に白へびさまのストラップがゆらゆら揺れる。


「恋のおまもり……かぁ」


おまじないに頼るのもどうかと思ったケド、でもあたしが新垣エリナに勝てるのってこの気持ちだけな気がするし。


「守り神―――かぁ」





盛岡…


かごめ神社―――


玄蛇





なんとなく浮かんだキーワードが頭の中を横切る。そのキーワードは繋がることなくあたしの脳をいったりきたり。


唯一分かってるのは、盛岡がある岩手県は玄武の縄張りだと言うことだ。


ってことはだ、この白へびさまを知ってたタイガも元は玄武の人間だってことか?


何であいつ関東の方に越してきたんだ?


あいつがスネークだと考えると、滅亡させられそうになって玄武の人間に追われてたってことだよな。


あたしはタイガのはっきりした年齢知らない。


てか三十年前てあいついくつだったんだろう。


三十前後な気がしたけど…逆算したら結構歳いってる???


そもそもスネークはタイガのことなんだろうか。


ぐわっ!分かんねぇ。


でも…


たぶんまだ小さかったんだろうな。





白い雪景色の中、白い息を吐きながらその小さな足跡は点々と跡を残す。


小さな男の子が幼い妹の手を引いて、追っ手から逃れて―――




後ろを常に気にしながら。







怯えて


怯えて




怯えて―――





変態タイガ―――…あいつが怯えてるところとか想像できねぇけど、


でも






考えると、



何だか悲しくなってくる。