またもつかみ合いの喧嘩にまで発展している二人を放置して、あたしが出来上がったおつまみとホットケーキを皿に乗せているときだった。
ガタガタっ
台所の扉をガタガタ鳴らす音が聞こえて、
「あれ!?開かない!ドアが壊れた??お嬢っ!!中にいらっしゃるんですか!」
ユズの声が聞こえて、あたしたちは三人は顔を合わせた。
「やべっ」
戒が慌ててつっかえ棒を外し、ユズが顔を出す。
「あ、あはは~最近扉の立て付けが悪くて」
く、苦しい言い訳~~~
視線を泳がせていると、
「水貰いにきたんですが…お嬢たち何やってるんスか??」
ユズが怪訝そうに戒とキョウスケを睨む。
「年上とか年下とか、ワイルドとか可愛い系とか…変な会話が聞こえたんスけど」
う゛!どーしよ!!
何て言い訳すればっ??と考えていると、
「朔羅さんがはまってる乙女ゲームの話ですよ。
その名も“イケメン極道彼氏とドキドキ同居生活!♥ ”
僕は可愛い系ヤクザから落としていけばいいって言ったんですけど、響輔さんはワイルド系がいいって」
ぅおおお!戒っ!!またもそんな嘘がさらっと!!
「“極道彼氏とドキドキ同居生活!♥ ”?
知りませんでした俺…お嬢がまさかそんなゲームにはまってるなんて…」
ユズはさっきの不審そうな顔つきから一転、思い切りドン引き。
「あ、これ!つまみですね!!それじゃ!!失礼しましたっ」
聞いてはいけない事実を知った、と言う感じでユズがおつまみの皿を持って慌てて逃げていく。
あ…あたしのイメージがぁああああ



