。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「「共同経営者―――?」」


二人が声をそろえてあたしを注目してきて、あたしはその突き刺さるような視線に居心地の悪さを感じた。


「う、うん…でも、なんか胡散臭いって言うか…こう言っちゃなんだけど、彩芽さんが咄嗟に嘘ついて、


その嘘にタチバナが乗ったって感じがした…




き、気のせいかもしれないけど!」


勘違いだったらかなり失礼な話だし、そもそも彩芽さんが嘘つく理由が分からない。


「あ、そーいやタチバナ……千里も見たことあるかも…って言ってたな…」


あのときのことを思い出してあたしはう゛~んと首を捻った。


「一ノ瀬も?」


「有名人ですかね。一結と同じテレビ関係者かも」


「あ~まぁな~俳優かモデルって言っても通じそうなルックスだったしなぁ」


アハハと笑うと、


「何、朔羅は俺と言う男がいながら他の男に目移りか?」


戒がずいっと真剣な顔で迫ってきて、あたしは逃げ腰。


「違うって!目立つ容姿してたからそー言っただけで」


「お嬢のタイプは年上で大人の男ですからね。戒さんなんてまだガキですよ」


ふふん、と笑って…ってか実際には笑い声をあげたわけじゃないけど、口元を吊り上げてキョウスケがニヤリとすると、


あたしの両腕をそっと後ろから抱きしめてきた。


「お前!自分が年上で大人の男だって言いたいんかよ!俺だって朔羅より(いっこだけ)年上だっ!!」


「戒さんは童顔の可愛い系じゃないですか。お嬢はワイルドな人がお好みなんです!」


「おめぇだってワイルドじゃねぇだろ!この、似非爽やか!!」


ギャァギャァ!!


またも喧嘩かよ。


相変わらず低レベルな言い合いだな。