つっても状況証拠ってのかな…心理的証拠……か…
「鴇田が叔父貴に忠誠を誓っているフリをしてたなら?
演技とは思えねぇけど、そーゆう可能性だってあるだろ」
何もかも疑うのはどうかと思うけど、あたしには戒とキョウスケ以外何もかも信じられない状態だ。
あたしからこう質問されることを分かっていたみたいで、戒はそれほど考え込んだりせず、
「とにかく、事態を一旦整理しようぜ」
カチッ
戒がまだ何も乗っていないコンロに火をつけると、いつの間にか口にタバコをくわえていて、前髪を掻きあげた。
「おめぇ、また堂々と吸いやがって!」
と、あたしの注意も無視。
戒は体を屈めて、前髪を手で押さえながらコンロの火をタバコの先に灯す。
(危険ですので、良い子のみなさまは絶対に真似しないでください゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。)
コンロに顔を近づけたまま、口にタバコをくわえたまま…ちらりとあたしを流し目で見てくる戒。
ってか何!その無駄に色気のある仕草は!
「やっぱあいつが琢磨さんを裏切る可能性はゼロに親しいって。
何てたって鴇田は琢磨さんのこと愛しちゃってるからな!♪」
―――はぁ!?
ふざけんじゃねぇ!!
「叔父貴はノーマルだ!!」
ケケケと笑う戒の後頭部を押さえつけて、コンロに押し付けてやりたくなった。
「鴇田の熱烈片想い~?切ねぇな」
戒は危険をいち早く察知して、素早く身を起こすと胸の前で手を合わせる。
「てかあいつ結婚すんだろ!」美人の秘書キリさんと!
「偽装結婚だったりして…俺達の目をくらませるために」
とキョウスケも真剣。
「何で偽装する必要がある!」思わず喚くと、
「まぁまぁ冗談やて~」と戒がにこにこ笑ってあたしの肩に手をぽん。
冗談……ブラック過ぎるぜ…
「てか、ここ台所!今料理中!おめぇホットケーキのタネはどーした!」
あたしがビシリと指差すと、
「響ちゃんやって~」と、今度は可愛くキョウスケにおねだり。
く…相変わらず変わり身の早いヤツ。



