「コードネームですからね、“玄蛇”のほかに恐らく本名は別にあるんでしょう。
と言ってもどれが本当の名か知りませんが…プロだし、いくつも名前ありそう」
あたしは切り終ったたまねぎから目を逸らすと、包丁の柄を握り締めて、刃を上に向けた。
包丁の切っ先が鈍い光を湛えてキラリと光る。
「あたしには分かる。そのスネークが誰か」
「は!?何で!」
戒が驚いて目を開き勢い込んでくると、あたしは得意げになって、それでも真剣に振り返った。
キョウスケは半分予想がついていたのか、呆れたように額に手を当てている。
「あたしの推理に驚いて腰抜かすなよ?
スネークは鴇田だ。
何せ“蛇田”だからな!!!」
「「…………」」
戒は大きな目を開いて、キョウスケは「やっぱり」と言った感じでうつろな視線を床に向けている。
ふっ!あたしだってたまには頭が回るんだぜ!♪
得意げになってドヤ顔を作っていると、
「アホか!おめぇは!!
狙撃されたとき、あいつだってその場に居ただろ!
狙われてただろ!ってかおめぇが助けたんじゃねぇのかよ!」
戒が喚いて、あたしは目をぱちぱち。
キョウスケはもはや返す言葉もないと言った感じで、あさっての方を見ている。
そーだった……!!



