。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




結局、またもドクターのわけ分からんペースに巻き込まれて彩芽さんのことを聞くこともできず、あいつは立ち去って行った。


ったく!ここはどーして極道の客ばかり来るんだよ!


龍崎 琢磨といい、鴇田といい、変態ドクターといい!!しかも全員野郎じゃねぇか!!お呼びじゃねぇっつの!!


もっとこうキリさんとか、彩芽さんとか…女はこねぇのかよ!


俺は女が大好きなんだよ!(←堂々と言うことでもない)


イライラしながら厨房に戻ると、


十分後にまたも、


「お、おい!龍崎っ!!客だっ!」


とまたもカウンターから声が掛かった。


だけど今回は何故か店員が驚いたような焦ったような態度。


今度は誰だよ!


半ギレになって顔を出そうとすると、


「すっげぇ美人だぜ!どっかのモデル!?」


と呼びに来た店員は興奮してる。




美人―――…モデル……?




俺は慌ててカウンターに向かうと、



女は女だけど―――……


長いハチミツ色の髪、白いノースリーブのシャツに短いデニムのスカート姿の





―――…イチが、にこにこ手を振っていた。





「昨日はどーも♪」


外したサングラスを手にイチはにっこり笑うと、またも軽く手を振る。


「………何で…」





何でこの女が―――……?