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響輔との喧嘩は結局決着が着かず…
俺はクミを(一旦は)諦めて、響輔に譲ることにした。
バイトに行くと本妻、朔羅はバイトの連中にナンパされてるし!!睨みを利かせてそのナンパ野郎を追っ払ってやった。
ふぅ。やれやれ。
俺の女たちは目を離すとすぐに、誰かに連れ去られちまうからな。
気を付けて見てねぇと。
と言っても24時間ぴったりくっついているわけには行かず。
俺より一時間前に入った朔羅は俺よりも一時間早くあがっていった。
早速、目が届かないところに行っちまってるし。
また変な仕事押し付けられてるし。
あと一時間、朔羅なしでがんばるかぁ、と気合いを入れ直していたときだった。
「龍崎~、お客さん!」
とカウンターから店員に呼ばれて、喧嘩後の顔でフロアに出るなと言われていた俺は厨房から顔だけ出した。
「あ、すみません。俺今日厨房担当なんスよ」
と答えるも、
「いや、お前に会いたいってお客さんが」
と言って店員が手招きしている。
俺に会いたい??って誰だよ。
また龍崎 琢磨の野郎か?それとも鴇田?琢磨さんの秘書のキリさんだったらいいな♪
まさかまさかの(色んな意味での)大本命ドクターの女、彩芽さんとか?
と、色々考えながらカウンターに出ると、
「やぁ、お疲れ様。お仕事はかどっていますか?フフッ」
まさか、まさかの……
変態ドクターだった。



